なぜわからない。わかろうとしない。

「また、来たか、内地のお偉いさんが・・・」



仲井真沖縄県知事はきっとそう思ったのではないか。
戦後、一体何人の大臣が無理難題をかざして沖縄に通っただろう。





たくさんのSPに警護され、「帰れ!」のシュプレヒコールの中、菅官房長官は足早に県庁の中に消える。
空疎な会話、うつろな目。知事のウンザリしたような表情。
そのあと沖縄タイムスなどメディア行脚。しかしどれも10分程度の滞在だった。

メディアをも味方につけたいという思惑なのか。


たったの10分!
「普通」なら、天気の話や挨拶で終わってしまう時間だ。こんな日程で県内移設の了解を取ろうとしていたのだろうか。

しつこい新聞の勧誘じゃあるまいし、ダメとわかっていて(いや、わかっていないのかもしれないが)行くという神経が全く分らない。沖縄県民を愚弄しているのか、人として神経が一本欠落しているのだろう。




最近は、沖縄の本土復帰は良かった事だったのだろうか。
と思う。


美しい海岸を残すより埋め立てと20億の補助金を選んだ漁協。
そのいきさつは詳しく知らないけれど、立場の弱い人間には酷な選択を政府は強いた。
その決定を足かかりに基地の移転への一歩としたいのだろう。アコギなやり方だ。

財政難の自治体に補助金をちらつかせて原発誘致にもっていくやり方と変わりはしない。





「丁寧な説明、」「理解を得る」
説明がいかに巧みであっても、相手には拒否する権利がある。それをお忘れか。相手の権利を認めないような者に交渉の資格はない。




仲井真知事の表情に疲労感が漂う。
政府の向こうには強大なアメリカが透けてみえるだろう。
「ならぬものはならぬ。」のだ。でも
そう言い続けることもしんどい仕事だなと思う。
心折れそうになる瞬間もあるのかもしれない。国ににこんなストレスを強いられる知事は他にいないだろう。


なんの支えにもならないが、健康に留意して踏ん張ってほしい。




ある時、絵の仲間の1人が冗談まじりに言った。
「ニッポンはもう一回鎖国すればいいんだよ」
と。
ペリーに開国を迫られて以来、口を開けっぱなしにしてきたおかげで美味しい物もたくさん食べたが、毒も飲まされた。ここらでいったん閉店して
あらためてこの日本という国をじっくり隅から隅まで観てほしい。毒のせいで苦しんでいる人がたくさんいるんだという事に気づいてほしい。救いの手を差し伸べてほしい。もっと声なき声に耳を傾けてほしい。


そしていつか、みんなに笑顔が戻ったら世界の人達に元気なニッポンを見せてあげればいい。