風に向かって描け

こんな日にスケッチ。
伊達や酔狂では出来ない。
それでも集合の10時ころはそれほどでもなかったんだよなあ。


坂川沿いの河津桜がほぼ満開。
「わあ、きれいねえ」
「私はソメイヨシノより河津桜の方が好き」
「菜の花はまだかしら」とスケッチ会の人達はこの時はまだ花を愛でる余裕があった。


ところが

描き始めてしばらくすると

風が強くなり雲が広がり始め、尋常でない感じになったきた。


もう花粉がどうのとかいうレベルではない。遠くが黄色くかすんで煙霧というらしいが
口や目の中まで砂が入って来ている感じだ。
あちこちで白いコンビニ袋が舞いあがって、つむじ風が土を舞いあげている。










と・・・・・・



「ああー!」
誰かの叫び声。
見ると向こう岸で描いていた女性会員のおばさんのトートバッグが風で飛ばされて土手の下に落ちている。もうすぐで川の中に入りそうな状態。

おいおい・・・・・

仕方なく橋を渡って反対側に行き、意を決して急な土手に下りた。
はっきりいって一番若いのは私なので、なんとなく、やらざるを得ないなという・・・・・^0^

近くに落ちていた枝を拾って、バッグの柄にひっかけ、なんとか救出。

いや、ほんとに軽い人は飛ばされそうな風だ。



だが、

立ち上がる気配のない人もいる。^0^;

この集中力は見習うべし。!





私も遊んでばかりいたわけではない。^0^

描いた

コンテ鉛筆でデッサンをとって、絵の具がないから色コンテでポイントになるところだけ色をつけて終わり。


ほとんど勢いだけで描いた。




反対側を見るとこれまたいい具合に熟成された昭和なあばら家(失礼)

屋根がこれだから多分空き家なのだろう。
いつか描いてみたいと思っていた。

隣にはカワイイ鳥居とお不動さん
ん、お不動さんでいいのか?



コンテ鉛筆と色コンテ。

赤い花をアクセントにあしらう。出来はともかく久しぶりに描いたなあという気分を味わえた。スケッチ会がなければきっと家にこもっていただろうからスケッチ会の方には感謝しなければ。


挨拶もそこそこに今日は解散。
また今度。




おまけ

岸辺の説明板から。慶応4年 (1868)の同所。カメラを構えている後姿は15代将軍徳川慶喜。それをさらに撮ったのは弟。徳川昭武とあります。大政奉還後は徳川さん、カメラを趣味とし平和な時代を送ったようであります。それにしてもこの坂川で野菜を洗っている人がいる。なんとものどかな眺め。

この後、戦争を経て高度経済成長期、この川は工場廃液やヘドロで汚されていく。
川もまた生きた時代の証人なのだ。