NHKスペシャル「震災失業 12万人」を見た

番組は仮設住宅に暮らす1100人からアンケートをとり、数人の被災者に取材しながら、アンケート調査から浮かびあげってくる「復興」の実態をレポートします。
 タクシーの運転手だったという男性は奥さんと息子さんを失い一人暮らし。職がみつからず「1日を過ごすのが大変なんです」と胸中を語ります。
長い長い1日・・・
朝、目覚めて今日一日をどうやり過ごすか・・・そんなことを働き盛りの男が思うのでしょうか。

美容室を経営していた女性。
ローンを残して職場は流され一念発起やり直そうと、もう一度ローンを組む決心をします。でも2重ローンのリスクは避けたいと、一括払いの申請を県や国の支援機構にしますが、返済の可能性が低いをいうことで断られました。
地元の石巻市にも救済を求めましたが無駄でした。「サービスの方が私達を選別している」と・・・女性は悔しさを隠しません。


長年水産業についていた男性。
得意な水産の分野で仕事を見つけようとハローワークに通う毎日。
でもあるのは土木関係がほとんどで、しかも大型特殊免許が必要。
仮に免許がとれても、それで収入が入るようになるには半年以上かかると言われ落胆します。家族を抱えてそんな悠長なことは言っていられないのです。


もう一人の男性は市の職員に「石巻が大嫌いになった。」「俺みたいな人間、あの時流されてればよかった」と吐き捨てます。

長引く避難所生活に疲れ
「社会から見放されたように感じる」
「働きたい」
「生きる目的が欲しい」
「もう死にたい」
「国はゼロからのスタートというけど、マイナスからのスタートなんです」
といったアンケートの書き込みの数々。
精神疾患者の懸念も。

浮かび上がってくるのは冷たい行政の態度。
その辺の追及は物足りない。
支援金はどうなったのでしょう。いくら集まり、どこにいくら配分されたのでしょうか。知るすべもありません。

心は一つ。頑張れニッポン 絆
・・・そんなコピーが虚しく感じます。

見ていて何度も涙が出そうになり、気がつけば拳を握りしめていました。