希望と言う名のあなたを訪ねて
ちびっこ力士が手を振っていた。
駆り出されたのであろう近所の小学生が日の丸の旗を持たされて振っていた。
舞子さん(芸者さんか?)がいた。
レスリングの五輪メダリストもいた。
みんなみんな花道を作って
これ以上ないという笑顔だ。
その熱い視線の先にはアイドルやどこかの大統領・・・・ではなく、いわずと知れたIOCの日本視察団の一行。
石原某の忠実なる後継者、猪瀬都知事は老体に鞭打ってテニスの腕前まで披露し、卓球の福原愛ちゃんは苦笑いしながら温泉卓球に付き合っていた。
ここまでの豪華オールキャストで応えるか・・・・・・・
嫌なものを見せられた。気分が悪くなった。
仮設住宅や避難所での不便な暮らしを強いられている人達はこの映像を見てどう思うだろう。
ある新聞にこんな記事があった。
31歳と29歳の両親と3人のお子さん。
住んでいた借家は震災で半壊。退去を迫られ家族離れ離れになって親類宅に住んでいたという。やっと申し込んでいた学校近くの仮設に入居が決まった。下見に行って絶句した。
風呂に追いだき機能がないというのだ。
だからなに?
仮設に当たっただけでもよかったじゃない
という問題じゃない。
家族5人が入れば最後の人はかなりぬるくなるだろう。
我が家ならスイッチひとつで温度を上げる事が出来る。それが出来ない不便さは正直実感としては分らない。
分らないが、冷めるにまかせるしかない風呂に入る悲しさ、情けなさは想像出来る。
熱いお湯に入りたければ裸で一度栓を抜いて水を落とし、初めから沸かさなければならないという事。
しかも末っ子は、まだ0さい。
夏はともかく今年の冬はどうしのぐのか。
追いだき機能を追加申請しに役所に行けば「締め切った」という。
公営住宅の建設は大幅に遅れていて4年以上は仮設に住み続けなければならないのが現実だという。
あるブログにあった。
東京五輪なんか次の次でいい。
いや、そのまた次でいい。
そしてやるならインフラを整備したうえで東北でやればいい。と
全くその通りだと私も思う!。
こんなニュースを流したテレビを粉々にして東京という街をこの国の為政者達を呪うに違いない。
被災から2年。
先日NHK「クローズアップ現代」で「被災者」への何度か目のアンケートの結果を報じていた。
1年目はなんとか乗り切ろうと思っていたが2年目を目前にして気力がなくなって家族との会話が少なくなった。離婚を考えるようになった。地図を持たず迷路をさまよっているようだ。という回答が目立つようになったという。
そしてほとんどの人が復興が進んでいないと感じていた。
1日何にもしないでテレビをみて過ごす。
働きたいが病気で働けない。
生活できないから妻がパートに出たが夫婦の会話も途切れがち・・・・・
胸が潰れるような現実がある。
追い炊き機能くらいなぜケチるか。
これが憲法に保障された文化的な生活だとでも思うのか。
お子様ランチのような招致運動に浮かれる東京。
「ぜひ!東京でもう一度」?
「子供たちに夢と元気を」?
人間
夢などなくたって生きていけるのだ。
夢 ・夢 ・夢と
憑かれたように騒ぐのはいつもマスコミと政治家 政治屋。
「強い日本」など要らぬ。!
美しくなくてもけっこう。!
私が欲しいのはこの国に生まれて良かったという実感と未来への希望だけ。