病院の待合い室で

次男が柔道部の稽古の最中に右手首を捻って痛むというので病院に付き添いました。
待合室の椅子に並んで座って待っていました。
近くには2〜3才の男の子を連れてやはり診察を待っているお母さんがいました。
 診察室から呼ばれてお母さんが子どもを抱っこしたとたん、それまでご機嫌でそこら辺を走りまわっていた男の子が火がついたように泣き出しました。靴を脱ぎ捨ててばたばた抵抗しています。
診察室に入ると泣き声はさらに大きくなり、途中げほげほと咳き込むほどです。注射でもされているのかと思うほどでした。

あんな風に人目も気にせず大泣きすることが出来たら、どんなにすーっとするだろう。私は泣声を聞きながら、ぼんやりそんな事を考えました。
魂の叫びのように聞こえたせいかもしれません。

診察室から出てきてからも、男の子はしばらく泣いていましたが、お母さんは声を荒らげることもなく少し疲れたような感じであやしていました。私にもあんな子育ての時期があったはず・・・・・・。
 となりで居眠りしている次男の横顔を見て、ずいぶん遠い昔のように感じました。レントゲンを撮りましたが、幸い骨折はなく、軽く固定しておくように言われて帰ってきました。